参考にしたい!中小企業流の働き方改革

少子高齢化と平均寿命の増加によって、誰もが生涯現役で働ける社会を目指し、政府によって働き方改革が提唱されています。

この改革のポイントは3つで、1つは労働生産性の向上を図ることです。

労働生産性とはつまり、労働者が生み出す価値のことで、同じ時間における生産性の向上のことをいいます。

政府が労働生産性の向上を提唱した理由は、やはり総人口の減少と働き手の不足が挙げられます。

これは企業努力によって改善できる可能性がありますから、組織として取り組む企業も少なくないです。

もう1つの改善は非正規雇用の格差改善で、正規雇用者との差を小さくすることです。

非正規雇用の問題は、これまでの政府の方針によるところが大きいですから、企業に押し付けるのではなく、国としも取り組む必要があるでしょう。

最後は長時間労働の是正で、過労の問題発生が後を絶たない状況を見ると、企業努力だけで大幅な改善を望むのは難しいと思われます。

働き方改革の成功は、中小企業が取り組んできた事例に目を通すことで、ヒントを掴んだり道筋が見えてくると考えられます。

建設業が実際に採り入れた事例では、ノー残業デーやパソコンの自動電源OFFソフト導入を進め、社員の労働時間を正確に把握する仕組みも作り上げられています。

その結果として、時間外労働が約15%削減され、非正規雇用者の処遇の改善に繋がったり、離職率の低下に至りました。

一方、福利厚生や健康管理サービスを提供する企業では、営業職を中心に働き方改革を行い、残業時間や賃上げに成功しています。

成功の決め手は無駄の多い移動時間の削減で、スキマ時間の上手な使い方を推し進めたことにより効率良く働ける、つまり労働生産性が上がったわけです。

結果的に商談数は上がり、営業インセンティブの向上にも成功しているので、この企業の取り組みは大成功だといえるでしょう。

IT企業の事例は、業務における時間的な無駄の多い作業を自動化したり、テレワークの導入で労働環境が改善されました。

前者はある程度の規模の大きさを持つ企業に限られますが、例えば入力作業の自動化を推し進めれば、数十時間単位でかなりの削減になるはずです。

逆に後者は、一見するとありきたりな働き方改革に思われますが、小さな子供のいる家庭を中心に、柔軟性の高い働き方ができると評価されました。

学校からの急な呼び出しにも対応できたり、より自由な時間の使い方で効率良く働けるなど、社員の満足度が高くなる結果に至っています。

テレワークは社外で働く形なので、セキュリティを十分に考慮した環境の構築が不可欠です。

また、社内のコミュニケーションやワークフローの確認など、情報共有も重要なポイントとなります。

初期のコストは発生しますが、しかし働き方改革の実現を前提とした長期視点で考えると、挑戦してみる価値は十分でしょう。

業種で実現可能性が決まるものの、思い切ってオフィスを廃したり、社員全員をリモートワーク化した中小企業があります。

大胆なアイディアを実行していますが、これは事例の企業がIT関連で、コミュニケーションツールを自社開発できた点が大きいです。

介護業界で人材確保に苦戦していた企業は、ワークライフバランスにキャリアアップと、短時間正社員制度の導入で求人応募者数を5倍に増やしました。

男性の産休や無料の託児所設置など、他にも様々な取り組みが行われましたが、その結果は明らかに誰もが驚く数字です。

働き方改革の提唱に基づき、地道に1つずつ問題を見直して改善した事例ですが、改善に取り組み結果を出せば、労働環境も人材確保も良くなるという好例です。

事例は様々で業種も企業規模も違いますから、全ての中小企業に当てはめるのは難しいでしょう。

それでも、無駄を減らし改善していける可能性があると分かったり、既に複数の企業が改革を実現している事実は励みになります。